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20163/1

【閲覧注意】これは介護か虐待か? 47年間ロープに吊るされている男

社会には、さまざまな障がいを抱えながらも強く生きる人々が存在する。とりわけ全身に運動機能障害が現れる「脳性麻痺」や「筋ジストロフィー」を発症した場合、本人や家族にのしかかる負担と苦しみは並大抵のものではない。一定レベルの社会保障と医療制度が整備されていれば、その苦難はわずかながらも軽減されるが、世界を見わたすとそのような環境が整っていない国もまだまだ多いのが実情だ。
 そして現在ベトナムで、なんと47年もの間、ロープで吊り上げられた状態で生きることを余儀なくされている障がい者の姿が報じられ、社会に大きな衝撃が広がっているという。早速、詳細についてお伝えしよう。

■生後間もなく異変は現れた

 同国東北部、クアンニン省で母親とともに暮らすカオ・バ・クアットさん。彼は47年というこれまでの人生を、ロープに吊るされたまま過ごしてきた。まるで虐待かと見紛うような衝撃的光景だが、カオ・バ・クアットさんと家族にとっては止むに止まれぬ事情があったようだ。
 カオ・バ・クアットさんの身体に異変が生じたのは、生後わずか数日のことだった。妊娠中の母親に異常は見られず、出生体重も平均的だったにもかかわらず、突如として脳や運動の機能に障害が現れはじめたのだ。やがてカオ・バ・クアットさんは、体を自由に動かすことができず、寝たきりになってしまった。
 なんとかこの状態を改善させようとした両親は、財産のほとんどを投じて治療法探しに奔走するも、主治医が見つからない。やがて資金は底をつき、自宅での介護を余儀なくされてしまう。カオ・バ・クアットさんと家族の長く厳しい戦いは、こうして始まった。

■“クモの巣”に絡まっている本当の理由
 両親の願いも虚しく、その後もカオ・バ・クアットさんの全身の筋肉は、歳を重ねるごとに衰え、四肢は次第に壊死していった。しかも無理に動かそうとすると、思わず叫び声を上げるほどの激痛が走る。そのため、当初はベッドに寝かせて介護を始めたようだが、母親のアイデアによってカオ・バ・クアットさんは“吊るされる”ことに。手足を空気が入った袋で包み、その袋をロープに括りつける――。このようにして、一見するとクモの巣に絡まっているような、カオ・バ・クアットさんにとって最適な姿勢を保つことができる環境が整ったのだ。
しかも、このように吊るすことは、介護する側の家族にとってもメリットが大きかった。食事の世話や便の処理、さらに姿勢を変える時にも何かと勝手が良いのだという。これでカオ・バ・クアットさんの苦痛が完全に取り除かれ、症状の進行が止まるわけではないが、本人と家族にとっては最善の策だったというわけだ。

■苦しい介護の果てに…… 母親の決断
 さて、現在86歳になる高齢の母親は、これまでカオ・バ・クアットさんを表に出さず、47年にわたり隠すようにして介護を続けてきた。人々に恐怖を抱かせることを恐れたためだという。しかし、自らがこの世を去った後に、果たして誰が息子の面倒を見てくれるのか不安になり、このたびメディアで現状を訴えることにした。
「息子と一緒に死にたいと思ったことは何度もあります」(母親)
 母親の必死の思いが新聞などで報じられると、即座に反応したのはベトナムのネットユーザーたちだった。なかには虐待を疑ったり、「クモの巣男」などと揶揄する反応も見受けられるが、多くの人は高齢の母親と障がいを抱えた中年の息子の苦難に心を打たれ、募金活動まで開始される運びとなったという。

■症状は現在も特定されず
 こうしてカオ・バ・クアットさんの姿がベトナム中に知れると、彼の障がいについての考察もネット上では始まっている。症状が先天的であることから、「脳性小児麻痺」を疑う声もあるが、進行性である点や手足の壊死などは「筋ジストロフィー」に近い。ほかにも髄膜炎の後遺症などの指摘もあり、結局のところ確実なことは医師による診断を仰ぐ必要がありそうだ。
 今こうしている間にも、カオ・バ・クアットさんの症状は着実に進行している。勇気を振り絞ってカメラの前に立ち救済を訴える母子の願いがかない、現状が一刻も早く好転することを心から願いたい。

※衝撃的な動画を掲載しています。

TOCANA

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