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【閲覧注意】麻薬王エル・チャポの隠れ家で起きたシナロア・カルテルの悲劇! メキシコ海軍特殊部隊VS麻薬カルテル

ホアキン・グスマン、イスマエル・サンバダ・ガルシア、フアン・ホセ・エスパラゴーサ・モレーノの3人を筆頭に、5人のリーダーにより1989年に結成された“メキシコ最大の犯罪組織”と言われる麻薬カルテル「シナロア・カルテル」。同組織を掌握し、最高幹部を務めるメキシコの“麻薬王”ことホアキン・グスマン、通称“エル・チャポ”が今月8日に逮捕された。
 そもそもエル・チャポは投獄されていたのだが、去年7月、シャワー室の床下に掘った長さ約1.5キロの地下トンネルからオートバイで脱獄するという、映画顔負けの脱出劇を成功させていた。もはや再び捕まえるのは不可能かと思われていたが、脱獄から約半年、メキシコの北西部シナロア州で逮捕された。逮捕にあたったのは、アメリカとの共同作戦を進めていたメキシコの海軍特殊部隊。
「武装したやつらがいる」との通報を受け、海軍特殊部隊が駆けつけたところ、そこはエル・チャポを含めた「シナロア・カルテル」メンバーの潜伏先だった。
 激しい銃撃戦の末、軍側は1人が負傷、メンバー6人を拘束し、5人をその場で殺害した。しかしエル・チャポはここでもしぶとく、抜け道を使い、マンホールから地下の下水トンネルを使って逃走。車を盗み郊外まで逃走を続けていたが、幹線道路で逃走車両を検知して追跡。郊外の安宿で、ようやくグスマンを拘束することに成功した。なお潜伏していた場所からは、自動小銃・手榴弾・装甲車など大量の重火器が発見されている。

 現在、エル・チャポは脱獄を成功させた刑務所に再び収監され、今後アメリカへ身柄を引き渡される可能性もあるという。アメリカなどへの麻薬密輸で巨額の資産を築いた麻薬犯罪の象徴的存在(=エル・チャポ)をシカゴ当局は、「アル・カポネ以来、最大の社会の敵」とし、シカゴの凶悪犯罪指名手配リストのトップに指定していたのだ。
 脱走したグスマンを拘束したことで、なんとか面目を保つことができたメキシコ政府。麻薬撲滅を掲げ、2012年にメキシコ大統領に就任したエンリケ・ペニャ・ニエト大統領はTwitter(@EPN)で、「ミッションコンプリート。ホアキン・グスマン(エル・チャポ)を拘束した」とつぶやいた。
 だが、再び捕まえるのは不可能と上述した理由は、「シナロア・カルテル」メンバーだけでなく、彼を支えるサポーターがいるから。貧困層に仕事を与えたり、災害発生時には政府よりも早く救助活動を行うなど、彼を英雄視している国民も少なくない。以前捕まった際にも「チャポを解放せよ」「汚職政治家と違いチャポは我々に仕事を与えてくれた」などのプラカードを掲げたデモが起きた。はたしてメキシコ政府は、エル・チャポをアメリカに引き渡すのか? 引き渡しの際に、再び血が流れることがないように祈りたい。

TOCANA

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